自分で名義変更(所有権移転登記)して、高ければ20万円以上掛かる費用を浮かせませんか?
土地や建物に関わる事ですから数千万円のお金が動きます。日常ではあまり動かさないお金ですから、金銭感覚がちょっとずれてしまい多少の出費ならしょうがないと思ってしまいがちです。
しかし、考えてみてください。20万もあれば普段の生活ならなんでもできてしまいます。
多少の知識さえつけてしまえば、所有権移転登記を自分で行う事は誰にでもできます。今は当サイトのような情報サイトがたくさんあるので、是非活用していただき、自分で手続きを行い費用を浮かせてください。
1.所有権移転登記とは
不動産売買における登記を自分で行う際「所有権移転登記」ってワードが出てくるけど、所有権を移転すること?程度しか分からないと思います。所有権を移転する事に間違いはありませんが、少し噛み砕いて説明させてもらいます。
所有権移転登記(しょゆうけんいてんとうき)は登記の態様の1つである。 不動産(土地及び建物)の所有権が現在の登記名義人から他人に承継された場合、第三者に対抗するためには原則として所有権移転登記が必要となる。
出典:Wikipedia
上記はウィキペディアから抜粋したものですが少し難しいですよね・・。分かり易く説明すると、
元々の名義から新しい名義に変更し、法律的にあなたの所有物とする手続きです。この手続きをしてなかった場合、お金は払ったけど実質あなたのものではなく、第三者に取られてしまう可能性もあります。
所有権移転登記といっても不動産、会社(事業)など、様々なところで使うので混乱してしまうかもしれませんが、当サイトでは「売買の所有権移転登記」として説明していきます。
不動産投資に興味ある方は「不動産投資で失敗したくない人が心得ておく4つの注意点」も合わせて読んでみてください。
2.不動産仲介で売買した場合「自分で」は可能か?
不動産売買をする際、多くの方は仲介業者に依頼すると思います。その場合、仲介業者に「自分で所有権移転登記を行いたい」と伝えると嫌な顔をするところが多いはずです。
でも、なぜ嫌がるのでしょうか?それは・・
- 登記の手続きがスムーズに進まない
- 紹介手数料がもらえなくなる
一番の理由は手続きがスムーズに進まずに、不動産会社及び売り手にも手間が掛かるからです。また、紹介した事によって紹介料を貰っているケースが多く、見込んだ収益がなくなる理由もあるでしょう。
それでは自分で行えるケース、自分で行えないケースを簡単に説明させてもらいます。
登記を自分で行えるケース
所有権移転登記を自分で行うのに最も重要な事は「ローンの有無」です。一括で購入した場合は金融機関を通さないので、抵当権設定登記(※1)をする必要がなく、自分で登記することに対して誰も文句を言えません。
※1 抵当権設定登記とは、金融機関から借りたお金に対する担保(抵当権)の登記手続きの事
したがって現金で購入する際は、自分で登記手続きをできます。
登記を自分で行えないケース
上記で説明したケースとは逆に、融資をしてもらった場合は金融機関が二言返事で「YES」とは言わないでしょう。仮にあなたに任せて手続きが完了しないと、ローンが滞った場合に回収できない可能性がありますから。なので基本的に金融機関が司法書士へ依頼することになります。
ただ、あなたの社会的信用がそれなりにあるなら、自分で登記する事を前提に、融資の申し込みをするのもありだと思います。
3.不動産登記費用の相場
不動産の売買がはじめての方からよく相談されるのが「登記費用の相場」についてです。
通常、売買を行う際は不動産会社を介し、司法書士や土地家屋調査士に名義変更手続きをお願いする事になりますが、ほとんどの方が手続き費用にケチを付ける事はないでしょう。
しかし、士業だからといって全員信用できるわけではありません。自分で手続きをしない人でも所有権移転登記に掛かる相場ぐらい知っておかないと、騙されているかもしれませんよ。
土地家屋調査士・司法書士の報酬相場
報酬額の相場紹介しますが、ネット上に報酬の全国平均をまとめたサイトがあったので参考にさせてもらっています。ただ、対象のデータは最新のデータではない為、参考程度にご覧ください。
- 確認しやすいようにきりの良い数値に整えています。
- 条件・地域によって報酬額の違いがあります。
- 日本司法書士会連合会、日本土地家屋調査士連合会のデータを参考にしているようなので、詳しくはそちらのホームページにてご確認ください。
登記に掛かる費用の相場を紹介しましたが、不動産仲介料について知りたい方は「不動産仲介手数料の計算方法や仕組みを知れば無料にできる」もご覧ください。
4.登記手続きの必要書類
金融機関、不動産仲介業者にも自分で登記する事を了承してもらったら、ようやく登記に必要な書類を準備していく段階へ入ります。
自分で行う場合、不動産会社はあまり協力してくれないと思っていた方がいいです。ですので状況に合わせて必要書類はメモしておくか、当ページをブックマークなどしておくと便利です。
所有権移転登記の必要書類
売買による所有権移転登記を、自分で行う場合の準備する書類及び取得方法を説明していきます。
- 登記申請書
- 登記識別情報
- 印鑑証明書
- 住民票
- 固定資産評価証明書
必要書類の取得方法
どこで取得するのか説明しなくても大体分かると思いますが、一応取得方法を紹介しておきます。
▼登記申請書
登記申請書はご自身で作成します。法務局のホームページより書式のダウンロード、オンライン申請を行うことができるので下記より確認してください。
法務局HP:作成する方はこちら
オンライン手続きの場合は以下の手順で行います。
- 申請用ソフトを起動
- システムにログイン
- 申請情報の入力
- 添付情報の添付
- 電子署名の付与
- 情報送信
- 到達・受付・納付の通知
- 登録免許税の納付
- 管轄登記所に提出
- 手続き終了
▼登記識別情報
登記識別情報は書面及びオンライン申請で取得する事ができます。
書類で申請した場合は、目隠しシールで識別情報が覆われた通知書を、登記所の窓口にて本人確認後、受取る事ができます。オンラインで申請した場合は、専用の公開鍵によって暗号化された識別情報をダウンロードし、取得する事ができます。
▼印鑑証明書
印鑑登録をしている前提で説明をしますが、本人もしくは代理人が市区町村の役所などで取得する事ができます。最近では住基ネットカード(※1)を持っている人も増えており、コンビニなどでも取得する事ができるようになりました。
行政手続をインターネットで申請などができる電子政府・電子自治体の基盤ともなるものであり、利便性の向上、行政事務の効率化に役立つもの
▼住民票
住民登録をしている市区町村の役所にて、身分証明書(免許証・パスポートなど)があれば取得できます。また、役所に行けない人は郵送や電子申請もできるので、管轄の役所に連絡してみてください。
▼固定資産評価証明書
不動産が管轄している市区町村の市民税課・都税事務所で交付を受ける方法と、郵送での取得ができます。管轄するところは不動産会社に聞けば教えてくれると思います。また、交付には身分証明書が必要となります。
5.所有権移転登記を自分で行うリスク
ここまで説明した事で問題がなければ、所有権移転登記を自分で行った方が数十万円得する事ができるかもしれません。しかし、自分で行う方が必ず感じるのが「自分で手続きした場合のリスク」です。
ネットで調べると様々なリスクについて書かれています。
- 自分より先に申請されてしまう
- 登記簿に残っていた登記のせいで所有権を失った
内容を見てちょっと笑ってしまったのですが、ミナミの帝王(漫画)でありそうですねw すぐにバレますし、そこまでのリスクを追う事をするでしょうか。
ちなみに私の周りでは所有権移転登記を自分で行う方が多いですが、このようなトラブルはもちろん聞いた事ありません。あるとすれば、購入しようとした物件が訳あり物件で、手続きが完了せずに司法書士にお願いしたとか・・、この程度です。
司法書士にお願いしても、自分でやっても行う手続きになんら変わりはなく、手続きのスピードぐらいです。
当然リスクはどちらにもあります。世の中にリスクがないものの方が珍しいので、士業に支払う余計な出費を抑えた方が私は良いと思っています。
所有権移転登記:まとめ
売買で少しでもお金を浮かせたい人向けに、自分で所有権移転登記の手続きを行う方法を説明しました。準備する書類とか面倒と感じたかもしれませんが、依頼したとしても準備する書類はたくさんあります。
だったら全部自分でやってしまった方が知識もつくし、金銭的にもお得になれるのです。
「自分でやってみようかな」と思う方で、どうしても分からない事がある方はメッセージいただいても構いません。挑戦して無理だったら依頼すればいいだけなので、まずは試しにやってみましょう。