不動産投資を始める方の中には「ワンルームマンション・アパート」どちらの経営をするか迷っている方が多いのではないでしょうか?
メリットの大小がはっきりしていれば良いのですが、どちらの経営にもメリット及びデメリットが同じようにあり、あまり知識のない方であれば決定に至る材料が少ないと思います。
今回はそのような悩みで苦しんでいる方が、なんの迷いもなく選べるようになる情報を紹介していきます。決して難しい内容ではなく、今後の不動産投資に役立つ情報なのでぜひ参考にしてください。
目次
1.どちらが人気なの?
不動産投資で人気なの?聞かれれば「ワンルームマンション投資」の方が多少人気はあるかもしれません。ただ、将来的な収益性が理由ではなく、若年層でも手を出しやすい価格帯の物件があるからです。以下のグラフは不動産投資をしている年代のグラフとなります。
特に注目してもらいたいのは「20代・30代」の割合です。一昔前はこの世代の割合は極端に低く、40代以上の世代がする事だと思っていた人も多いでしょう。その理由は資金的な事と、ワンルームマンション投資の流行でしょう。
安いものなら数百万円で始める事ができ、投資家が増えたことで販売業者も年々増加しています。そして、もうひとつ急激に増加しているものがありますが、それが何か分かりますか?
不動産投資で失敗する人です。
当然、投資とはリスクがつきものですが、悪質な業者に騙されて失敗してしまうケースをよく耳にします。そういった業者に遭遇しないためにも「投資マンション販売の「評判・口コミ」酷すぎる業者7選」で紹介している実態を把握し、今後の投資にお役立てください。
それではワンルームマンション投資とアパート経営の違いを説明していきますが、決して「流行しているから」といった理由で投資に手を出すのは控え、メリット・デメリットを理解してからにしましょう。
2.ワンルームマンション投資のメリット
若い世代の人気以外にも中国人なども買い漁っている「ワンルームマンション」ですが、その人気を裏付けるメリットが存在します。その中でも代表的なメリットを3つご紹介していきます。
2-1. 手軽にはじめられる
ワンルームマンション投資がここまで流行している理由のひとつは、資金的に余裕がない人でも始められる手軽さにあります。私が紹介して購入してもらった物件の価格帯は、安価もので300万円程度です。
価格が低ければ収益もそこまで見込めませんが、はじめて不動産投資をする人や、分散投資をしてリスクヘッジをされる方が購入しやすいメリットがあります。また、不動産投資で成功する秘訣があるのですが・・
始める時期が早ければ早いほど良い
投資をはじめる年齢が若ければ、ローンが終わる時期でもまだまだ現役で活動しており、遅く始めた人より運用できる期間を長く確保できます。しかも、将来への備えにも繋がり、自分の住居及び年金代わりとして家賃収入を得ることが可能となります。
2-2. 好立地の物件が多い
「不動産投資で成功者に共通していた3つのリスクヘッジ」でも紹介していますが、不動産投資において「物件の立地」次第で成功する確率は大きく変動することになります。健全な運用をするにはできるだけ空室になる事を避けなくてはいけませんが、以下のような立地であればまず失敗しないでしょう。
- 単身者が多く住むエリア
- 主要な駅まで乗り継ぎなしで行ける
- 駅から自宅までの距離が近い
条件をあげればキリがないのでこの辺にしておきますが、ワンルームマンション投資であれば上記に見合った物件を探しやすいメリットがあります。物件を選ぶには他にも築年数や設備などの条件がありますが、第一に優先するのは「利便性」であることは覚えておくように。
2-3. 運用の管理業務が少ない
ワンルームマンション投資を若年層が始めだしているとお伝えしましたが、平日はサラリーマンをしている人でも運用できるほど、運用に手間が掛からないメリットがあります。
基本的に投資マンションは区分所有の為、管理業務は管理会社が一括して行い、投資家である本人はほとんど口を出さなくても大丈夫です。したがって、投資はしたいけど時間がない・・という方でも複数の物件を運用する事が可能なのです。
また、最近の新築投資マンションなどは、入居者に好まれるような設備にしている物件が多く、入居率が高く推移してくれるメリットもあります。
3.ワンルームマンション投資のデメリット
上記でメリットを確認された方は「マンションの方が良さそうだな」と感じるかもしれませんが、メリットがあれば当然デメリットがある事を忘れてはいけません。これから説明するデメリットを確認して、自分なりに比較してみてください。
3-1. 空室のリスクが大きい
「不動産投資の3大リスクを知らない人は始める資格なし」で不動産投資のリスクについて詳しく解説していますが、投資をするうえで入居者がいなければ収支のバランスは崩れていきます。
ワンルームマンション投資の場合、ひとつの部屋にひとりの契約者が前提にあります。仮にその契約者が見つからなかったり、以下のケースになってしまってもローンの支払いだけは変わらず続いていきます。
- 家賃を滞納される
- 夜逃げしてしまう
上記以外にも、地価下落によって家賃収入が急激に下がり、想定していた収入が無くなってしまうといったデメリットがあります。長期的に運用をしていると必ず直面する問題なので、被害を最小限にするための「リスクヘッジ」をしていくのが必須となります。
リスクヘッジに関しては「不動産投資で成功者に共通していた3つのリスクヘッジ」を参考にしてください。
3-2. ほぼ建物の価値しかない
投資マンションは区分所有物件で管理するのが楽だと伝えましたが、その反面、所有している土地は自由に扱う事が難しく、その土地に関してはほぼ価値がないというデメリットがあります。
また、マンションの価値は新築が100だとすると、10年経つと70程度にまで下がってしまい、資産価値の下落率は驚くほど急速に進んでいきます。以下のグラフは三井住友トラスト不動産から引用したものです。
このデータはあくまで参考程度に見てもらいたいですが、物件によってはこれ以上の下落をする事もあります。特に新築マンションを購入する際は、立地、設備などをトータルに判断し、なるべく価格の下落が少ない物件を選ぶ必要があります。
3-3. 区分所有が裏目となる
マンション一棟すべてを所有する以外、建て替えや土地売却などは、他の所有者の賛同を得られないと変更を意のままにできないデメリットがあります。その事がなぜデメリットなのか簡単に説明します。
- 建物が古くなっても建て替えができない
- 災害によって全壊しても区分された土地しか残らない
年数がたって建物が古くなって見栄えの悪いマンションの場合、あなたなら賃貸で借りようとしますか?しませんよね・・。そうなると空室となってしまい家賃収入が途絶えてしまいます。
本来であれば外観だけでも見栄えを良くしたり、入居希望者が増えるような対策をするところですが、所有者の同意はほぼ得られずに断念する結果となってしまいます。
ワンルームマンション投資の場合、区分所有のデメリットは避けては通れない事であるため、以下のリスクヘッジをしておく心構えが必要となるでしょう。
購入の時点で「損益分岐点」を明確にする
こうすることで将来的に価値がゼロになったとしても、なんの躊躇いもなく対応できるはずです。
4.アパート経営のメリット
次はアパート経営について説明していきますが、若年層の方やサラリーマンで一定の収入しかない人は「自分にアパート経営は無理でしょ」と思い込んでいるのではないでしょうか。実は不動産投資に関わり始めた頃、私もそのように思っていたので投資の対象から外していたのを覚えています。
しかし、それは勘違いであり誰にでも可能な事なのです。
おそらく多くの人は資金的な調達の難しさを感じるかもしれませんが、アパートにはマンションにない資産価値があり、ローンの審査も意外に通ってしまうのです。
不動産投資をはじめる方はアパート経営についてもしっかり学んでおきましょう。
4-1. 空室のリスクが軽減される
私もアパートを実際に経営していますが、個人的に一番のメリットだと感じるのは「空室のリスク分散」が出来ることだと痛感しています。ワンルームマンションの運用も行っているので、以下のような時にそのメリットを感じる事ができます。
- マンションの空室時
- マンションの契約更新時
- 家賃滞納
もちろんマンションは区分所有なので、空室時は一切収入がありません。また入居者が契約更新をしない場合は、次の入居者と契約するまで空室が続き、退去時にトラブルなどあると更に空白の期間が延びてしまう事になります。しかし、アパート経営の場合は・・
複数の部屋があるので、収入が0になる事はない
この点に関しては心にゆとりを持つ事ができ、アパート経営の良さを実感できます。
4-2. 土地にも資産価値がある
アパート経営のメリットといえば物件が無くなったとしても「土地が残る」ことではないでしょうか?その分、ローンを組む金額こそ大きくなりますが、計画通りの収支で完済できた場合は、その後に住居用の家を建てるも、そのまま家賃収入を得続けても良い訳です。
災害などで土地の価格が付かなくなる以外、
最低限の資産の確保ができる
リスクが少なめの不動産投資といっても、投資したお金がなくなるリスクは0ではありません。しかし、アパート経営でしたら建物が無くなっても資産を残せるメリットは、将来設計が組みやすい投資なのです。
ちなみにマンション・アパートどちらであっても、建物の価値は日を追うごとになくなっていきますが、土地の価格は建物のように下落するものではありません。以下は土地代データより引用したグラフで、地価推移のデータとなります。
1980年代に大きな変動があるものの、そこまで価値が大きく変動していないのが分かると思います。好立地であれば購入した時より地価が上がる事もあるので、安全な資産ともいえます。
4-3. 建物を意のままに修繕できる
アパート経営の場合、建物の老朽化や空室率低下の為に、オーナーの意思で修繕する事が自由であるメリットがあります。また、アパート経営をやめたい時でも自由に土地ごと売却する事ができるので、自由度の高さが魅力的でもあります。
「住宅ローンを払えない方は「任意売却」メリットをまず知ろう」ではローン残高が残っている方が、不動産売却をする際のアドバイスをしています。
5.アパート経営のデメリット
空室リスクが軽減できたり土地が残るといったメリットを紹介しましたが、ここからはデメリットの紹介となります。メリットのみであれば一番良いのですが、投資である以上リスクは理解しておくのが鉄則です。
5-1. 立地が悪いケースが多い
あなたが住んでいる付近で、主要な駅を想像してもらえると分かりやすいですが、好立地な場所にアパートはたくさんありますか?おそらくあまりないという回答をする方が多いはずです。
その理由は、駅から近いなど立地が良いほど、地価も比例して高くなってしまうケースがほとんどです。そういった土地にアパートを建てられれば、空室へのリスクはあまり心配する必要はありませんが、現実的に難しい理由があります。
支出に見合った収益が見込めない
どういう事かというと、土地代が高いのでローンの支払いでその分は上乗せされます。建物の作りなどによっても多少の違いはありますが、大体の家賃相場はその場所によって決まっており、アパート経営で得られる収益には上限があるのです。
以下の図は、地価の高いところでアパート経営が難しい理由です。
雑な表で申し訳ありませんが、上記の土地は東京都内で駅から徒歩1分と、10分での地価を調べた相場を参照しています。その際に、ローンは固定金利で2%とし、6部屋満室で家賃は6万円、7万円で計算しました。
多少駅から離れた場所の収益であれば、諸経費などを払っても十分経営していけるでしょう。しかし、好立地な場所だと満室なのに2万円しか残っておらず、早い段階で売却してしまうでしょう。
アパート経営では立地が悪いことが多く、空室が目立ってしまうリスクも考慮する必要があります。
5-2. 修繕費用が高額になる場合がある
アパート経営のメリット紹介した際に、オーナーの判断で自由に修繕ができる!とお伝えしたばかりですが、そのメリットがデメリットとなってしまう事もあります。
マンションの場合はローンの支払いとは別に、毎月強制的に「修繕積立金」というものを払わなくてはいけません。アパート経営の場合はその費用を払う必要がないのですが、オーナーの責任で建物の修繕を定期的に行う必要があります。
では、費用がもったいなくて修繕をしないとどうなると思いますか?
- 入居者の不満が募って退室される
- 老朽化で雨漏りなどが発生してしまう
- 入居希望者への印象を悪くする
その結果・・
空室ばかりになってしまい持ち出しが増える
上記の流れは最悪の流れではありますが、歩いている時などにそのような事態に陥っているアパートは沢山あります。お金がないのか、修繕費が只々もったいないのか、理由は分かりませんがいつか痛い目に遭うはずです。
5-3. 借入金額が多い
アパート経営で土地代の負担がある事は説明しましたが、ど田舎のアパートであれば10万円/坪などの土地もあることはあります。しかし、「不動産投資の3大リスクを知らない人は始める資格なし」で説明している空室の可能性が非常に高くなります。
その為、駅から1分は無理でも、徒歩で苦痛にならない場所でないと楽なアパート経営は難しいでしょう。そうなってくると「土地代が高額になる」デメリットが発生することになります。
当然の事ですが、融資額が多いほど返済する金額も増え、家賃収入が想定通りにいかない場合はとてもきつくなり、売却の可能性も出てきます。
6.ワンルームマンション投資とアパート経営の比較
メリットとデメリットを説明してきましたが、少し文章が長くなってしまい申し訳ありません。内容がしっかり理解できなかった人のために、ワンルームマンション投資とアパート経営のメリット・デメリットを総合的に比較しておきます。
将来的な資産形成の比較
長期的に資産形成していくのであれば「アパート経営」が有利です。
空室になった際の負担の割合、完済時に土地が残るといった点から、資産として多く残せる可能性が高いといった理由です。
投資金額のリスクの比較
物件によりますが「ワンルームマンション投資」が有利です。
アパート経営では土地代も掛かる反面、マンション投資であれば数百万円から始められ、はじめて投資する人であれば借金のリスクが軽く済みます。
運用の手軽さ比較
圧倒的に「ワンルームマンション投資」が有利です。
基本的に管理会社が一括管理してくれるので、収益計算以外はほとんど手間いらずです。
収益性の比較
空室のリスクから考えると「アパート経営」が有利です。
一般的な利回りではアパート経営の方が高く、新築で8%、中古で10%程度といわれています。
節税の比較
どちらも節税可能なので「ドロー」です。
本来、節税目的で行うものではありませんが、赤字の時に損益通算できたり、固定資産税や相続税の節税対策で不動産を購入する人もいます。しかし、余程の金持ちや土地が余っている人でなければ、節税の事はあとで考えればよい事です。
将来的な比較
好立地、都心の物件なら「ワンルームマンション投資」が有利
「不動産投資の3大リスク」で2,100年には人口が8,300万人になる事を説明しましたが、郊外の地価は低下していくでしょう。しかし、都心部に限っては今後も成長するはずなので、物件次第では有利です。
7.まとめ
この記事を読まれた方は、不動産投資に関してそこまで経験をしていないと勝手に予想していますが、仮にそうであればまずはリスクを最小限に抑えることが出来る
低価格のワンルームマンション投資をおすすめします
それで経験を積んでもらって、少しずつスキルアップした方があなたの為になるでしょう。
出来ればその前に「不動産投資で失敗したくない人が心得ておく4つの注意点」をぜひ読破してください。長い期間、不動産投資を行ってきて気づいた心構えを分かり易く紹介しています。
不動産投資はFXなどと比べても、リスクが少なく決して難しい投資ではありません。最低限の知識を身に付けておけば高い確率で成功できると思うので、お時間があるようなら当サイトを回遊してみてください。