マンションや一戸建ての売買で不動産会社を介すと「仲介手数料(媒介報酬)」が発生します。不動産屋への手数料としか感じていないと思うが、宅建業法でしっかり定められているのをご存知ですか?
不動産会社はその定められている範囲内で自由に決められますが、ほとんどの場合は上限ギリギリで設定されている事が多いです。
しかし、中には注意が必要な業者もおり、上限額以上を請求してきたり、諸経費などを上乗せしてくるケースが起こっているようです。
仲介手数料のイロハを知っている方であれば未然に防げますが、知らないと言われるがままに払ってしまう事になります。そうならない為にも、これからお伝えする内容だけはしっかり覚えておきましょう。
1.仲介手数料の計算方法
仲介手数料には定めがあるとお伝えしましたが、以下はその計算方法となります。
国土交通省では、「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(昭和45年建設省告示第1552号)を定め、宅建業者が宅地建物の売買・交換・貸借の代理・媒介を行って受けることができる報酬の上限額を定めています。
詳しく確認した方は国土交通省のホームページをご確認ください。
不動産会社を介した取引では上記が上限となります。これ以下はありますが、これ以上は絶対にあり得ないので、遭遇した際は警察などに相談されてください。
2.仲介手数料「早見表」
上記の計算方法を覚えておくのが一番安心ですが、さすがになかなか利用しない計算式なので覚えるのは面倒だと思います。今後利用する可能性がある方は、下記に「仲介手数料早見表」を載せておくので、このページをブックマークなどで呼び出せるようにしてください。
※下記の仲介手数料は全て税込です。
3.仲介手数料の発生時期
不動産の売買でよくトラブルになる「仲介手数料の発生時期」について説明します。
通常、不動産売買契約の成立は「売買契約書を締結した時点」であり仲介手数料(成功報酬)の発生時期もこの時に発生します。契約書の締結が終わっていないのに請求された場合は、原則支払う必要はありません。
しかし、以下のようなケースもあるようなので、契約には慎重にならなくてはなりません。
契約書を交わした後、諸事情で契約を破棄
【トラブルになりがちなケース】
物件を気にいったので不動産仲介業者との契約を行い、その際に「手付金」と「仲介手数料」は支払済。契約書の内容はある程度確認したがすべて条項には目を通していない程度。
契約締結後、どうしよもない事情で当該物件の契約を解除しなくてはいけなくなったので、その旨を不動産会社へ通達すると、「手付金も仲介手数料も返金する事はできない」と言われる。
しかし、契約書に記入する際、担当者からは口頭で「契約が破棄になったら仲介手数料は戻りますから!」と言われていた。
↑このようなケースの場合、はたして返金されるのか?
契約書の内容にもよりますが戻ってこない可能性が高い
戻ってこない可能性が高い理由を説明します。
- 契約時、しっかり確認を怠った方にも問題があり、契約書には返金の事が意図的に書かれていない事も
- 契約が締結した時点で手数料を発生させるのは法律上問題ない
以上の事から、返金してもらおうと訴えを起こしたところで、おそらく返金させる判決は下らないと思われます。不動産売買では大きい金額が動くので、ひとつひとつ慎重に行わなければいけません。
4.仲介手数料を無料にできる理由
最近、不動産売買の広告を見ていると「仲介手数料0円」といった内容のものを見かけると思います。しかし、不動産会社は益のほとんどが仲介手数料である為、誇大広告ではないのか?と疑ってしまう人も多いはずです。
でも、不動産広告の内容を審査・調査している団体(不動産公正取引協議会)もいるので、堂々と規制に背く業者はいないはずです。はたして手数料0円は可能なのか?結論から言うと
仲介手数料0円は可能です。
不動産の収益が全くないのになぜ可能のか、いくつかの理由を紹介します。
インターネット普及も大きな要因
一昔前であれば、不動産の販売を行う業者はチラシの投函、訪問販売人員を大量に確保など、掛けられる経費はたくさん掛けて売上を伸ばしていました。
しかし最近では、消費者も知恵をつけたのか、そのような販売方法では契約がとれない時代になってきました。そこで販売の中心となっているのがインターネット広告による販売手法です。
インターネット広告が主流になった事で、チラシ投函に掛かる経費を削減し、更に訪問販売員を減らす事により人件費まで削減する事が可能となりました。こういった企業努力により利益率が向上し、消費者へ還元する意味でも手数料の減額が可能となりました。
業界の常識を覆した企業
これまでの不動産業界では、上限で決められている仲介手数料はギリギリまで設定するのは当たり前でした。
それは多くもらったほうが会社の景気も良くなり、働いている社員の給料も上がっていくので「不動産業界の異端児」はなかなか現れず・・。
それが現れたんです・・異端児が。
いつ頃からか忘れましたが、仲介手数料無料を大々的に行う不動産会社が出てきました。はじめは不信感しかなかった気がしますが、大手も始めだした頃から一気に広がりました。
今では当たり前のようになったのです。無料にするには当然、不動産会社が利益を減らさなくてはいけませんが、いくつかパターンがあるので紹介しておきます。
仲介手数料が無料になる仕組み
上記でも説明しましたが、仲介手数料を無料もしくは半額にするには、不動産会社の利益を減らさなくてはいけません。しかし、どういった仕組みなのか知らないうちは、少し勘ぐりが生まれませんか?
その疑いを払拭する為に、仲介手数料を割引くことができる仕組みを説明します。
■仲介手数料を払う一般的なケース
不動産会社に仲介を頼むと通常、上記のように売主、買主から仲介手数料を受取るのが一般的な仕組みです。このように両方から受取る事を「両手」と呼びます。
■仲介手数料が半額になるケース
売主から仲介手数料を受け取っていない為、買主が無料になってしまうと収益が無くなってしまい、半額にする事ができれば良い結果といえます。また、このケースのように片方から受取る事を「片手」と呼びます。
■仲介手数料が無料になるケース
売主から仲介手数料を受け取っているので、買主からもらわなくても片手分の収益は確保できる為、このケースのようなビジネスモデルで活動している業者は多いです。
5.仲介手数料や諸経費の交渉
不動産売買の過程で避けては通れない「仲介手数料や諸経費」。払っても自分にメリットがあるものではないので、できるだけ安い方がよいに決まっています。売買希望されている方からよく相談される内容に
- 値引き交渉は頑張ってくれるのか?
- 既に他社で依頼したけど、同じ物件の交渉はできるの?
といったものがあります。同じような疑問がある方もいるでしょうから回答しておきます。
値引き交渉について
不動産会社が仲介に入る一番の目的でもあるので、頼まれなくても交渉するのが当たり前です。ただ、新人だったり、客より元付(専任・媒介業者)の事を気にする担当もいるので、少しでもその気配が見えたら依頼する会社を変更しましょう。
交渉する会社の変更について
結論からいうと可能です。不動産会社にも横のつながりがあったりするので、余程、利益のとれる案件でなければ拒否する会社もいます。本当にお客様第一に考えている担当者であれば率先して交渉してくれるので、その事を伝えて顔色を伺ってみるのも良いでしょう。
仲介手数料:まとめ
仲介手数料の仕組みを説明してきましたが、内容を知れば意外と簡単に理解できたと思います。
不動産の売買にかかる仲介手数料は高額になる事が多いので、無料及び半額にできない場合はしっかり仕事をしてくれる業者を選ぶべきです。全く仕事をしてくれず繋ぎだけの役割しか果たさないところもあるので、次回は損しない為の正しい業者選びをお伝えします。
最低限の知識さえ備わっていれば、決して業者に騙される事はありません。役立つ情報をどんどん更新していくので、懲りずにまた訪問お待ちしてます。
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